FMT(糞便移植)ドナーの質

f:id:gutmicrobiome:20201120194153j:plain

FMT(糞便移植)において移植の結果をもっとも左右するのがドナーの質だ。一番重要な要素だと言ってもいい。
ドナーになる人の過去から現在までの健康状態が重要である。

FMT(糞便移植)の成功率を上げるには、複数の高品質ドナーを確保することが重要だ。高品質ドナーの人数は発言している人によって差があるが、全人口の0.5%以下だと言われている。人数は凄く少ない。
当然だが確保するのは難しいと言える。
現在、高品質ドナーの人数はさらなる低下が続けている。

そして、低品質のドナーを使用すると、有害な影響を及ぼす場合がある。(IBS発症、SIBO発症、食物不耐性、症状の悪化、体臭の問題、虫歯、脱毛)などを引き起こす。つまり病気にすることも可能なのだ。ドナーが持っている健康問題を受け継ぐことは多い。

逆に高品質のドナーだと低品質ドナーでは起こらない、驚く結果が出る。(IBS、SIBO、IBD双極性障害パーキンソン病多発性硬化症自閉症、ライム病、リウマチ、うつ病、不安障害)などの症状の改善または寛解臨床試験でFMTドナーの中から一人で複数の患者を改善または寛解させるドナーが存在することがある。こういった場合は高品質ドナーだと言えるだろう。

菌液の生成方法について

治療に失敗する主な原因は主にドナーの質、菌液生成の方法である。

菌液の生成方法で言うと酸素に曝露する時間が長ければ長いほど細菌は死滅していく。なぜなら、便の中には嫌気性の細菌が多いからだ。できるだけ酸素に曝露させない方法で菌液を生成しなければならない。ミキサーを使って便を攪拌させる方法もあるが、その方法だと酸素に曝露する時間が増加するであまり良い方法だとは言えない。それとは別に腸溶カプセルなどに便を入れて服用する方法もある。

FMT(糞便移植)がどのような病気に使用されているかについて

自閉症は移植された年齢や回数でバラバラの結果。比較的に低年齢で移植した場合に改善してるように見える。恐らく遅発型の自閉症に効きやすいのだと思う。

潰瘍性大腸炎の患者が改善または寛解する例は多い。しかし、移植した数カ月後に再発したり効果が薄れてくる場合も多い、なので再移植を希望する人もいる。

クローン病に関しては改善例が0ではないが、同じIBD潰瘍性大腸炎と比べると圧倒的に数が少ない。クローン病の方が治療するのは難しいのだと思う。

そして、今現在のFMT(糞便移植)は実際に移植を行ってみないと成功するか、失敗するか、変化なしか、などの結果は分からない。ある程度の賭けの要素がある。